詳細検索はこちら

加藤 竜太 

所属部署名国際大学国際関係学研究科
職名教授
更新日: 17/10/02 16:41

研究者基本情報

氏名

    加藤 竜太

基本情報

所属

  • 国際大学国際関係学研究科 教授

学歴

  • - 2000年University of Essex Department of Economics Economics
  • - 1995年University of Essex Department of Economics Economics
  • - 1992年大阪大学 経済学研究科 経済学
  • - 1990年横浜国立大学 経済学研究科 経済学
  • - 1986年中央大学 経済学部 経済学科

学位

  • PhD in Economics(University of Essex)
  • MA in Economics(University of Essex)
  • 経済学修士(横浜国立大学)
  • 経済学学士(中央大学)

所属学協会

    日本経済学会, 日本財政学会, International Health Economics Association, Health Economics Study Group in England (HESG)

経歴

  • 2004年- 現在 国際大学大学院国際関係学研究科
  • 2001年- 2002年 ロンドン大学イムペリアル校経営大学院 上級客員研究員
  • 1999年- 2001年 内閣府経済社会総合研究所 客員研究員(併任)
  • 1997年- 1998年 経済企画庁経済研究所 客員研究員(併任)
  • 1992年- 2004年 滋賀大学経済学部

研究活動情報

研究分野

  • 経済学 / 理論経済学
  • 経済学 / 財政学・金融論

研究キーワード

    公共経済学, 社会保障, 高齢化社会, 経済理論 財政学・金融論

書籍等出版物

  • The Political Economy of Fiscal Consolidation in Japan
    加藤 竜太
    共著
    第3章: Female Labor Supply, Social Security, and Fiscal Consolidation
    Springer 2015年01月
  • 公共経済学講義:理論から政策へ
    加藤 竜太
    共著
    第10章:医療と介護
    有斐閣 2014年06月
  • 新たなリスクと社会保障
    加藤 竜太
    分担執筆
    医療・介護分野への資源配分はどのくらい経済効果をもたらすか
    東京大学出版会 2012年
  • 日本財政破綻回避への戦略 (第2章)
    日本経済新聞社 2007年
  • Tackling Japan's Fiscal Challenges: Strategies to Cope with High Public Debt and Population Aging (Chapter 3)
    Palgrave 2006年
  • わが国の財政赤字と将来負担ー部門別社会資本を考慮した長期推計 (第6章)
    財政赤字の経済分析、岩波書店 2004年
  • Government Deficit and Fiscal Reform in Japan (Chapter 5)
    Kluwer Academic Publisher 2002年
  • Thress Essays in Health Economics: Uncertainty and the Public Health Policy
    PhD dissertation, University of Essex, UK 2000年

作品

MISC

  • Remittances and the Redistributive Policy in Ghana: A Computable General Equilibrium Approach
    加藤 竜太
    Review of Economics & Finance 6(2) 2016年05月 [査読有り]
    0
  • Remittances and the Brain Drain in Ghana: A Computable General Equilibrium Approach
    加藤 竜太
    IUJ Research Institute, International University of Japan( EMS-2015-04) 2015年10月
    0
  • Effects of Fiscal Stimulus on the Labor Market
    加藤 竜太
    Public Policy Review 11(2) 277-302 2015年04月
    1
  • 財政政策が労働市場に与える影響について
    加藤 竜太
    フィンナンシャル・レビュー 120(4) 45-67 2014年09月
    1
  • Fiscal Stimulus and Laobr Market Dynamics in Japan
    加藤 竜太
    Journal of the Japanese and International Economies 30 33-58 2013年 [査読有り]
    0
  • Regulated Medical Fee Schedule of the Japanese Health Care System
    加藤 竜太
    International Journal of Health Care Finance and Economics 13 301-317 2013年 [査読有り]
    0
  • Fiscal Stimulus in an Endogenous Job Separation Model
    加藤 竜太
    Economics and Management Working Paper Series, IUJ Research Institute EMS-2013-02 2013年
    0
  • Fiscal Stimulus and Labor Market Dynamics in Japan
    加藤 竜太
    Economics and Management Working Paper Series, IUJ Research Institute, EMS-2012-19, 2012年
    0
  • The Impact of Marginal Tax Reforms on the Supply of Health Related Services in Japan
    加藤 竜太
    The Japanese Journal of Social Security Policy 9(1) 1-32 2012年 [査読有り]
    0
  • Should Indonesia Suffer from More Reduction of the Subsidy to the Petroleum Sector?
    加藤 竜太
    Economics and Management Working Paper Series, IUJ Research Institute  EMS-2011-25, 2011年
    0
  • Health Insurance Reform and Economic Growth: Simulation Analysis in Japan
    加藤 竜太
    Japan and the World Economy 23(4) 227-239 2011年 [査読有り]
    0
  • The Impact of the Global Economic Crisis on Cambodia
    Khin, P, and R R Kato
    Economics Bulletin 30(3) 2346-2370 2010年 [査読有り]
    0
  • 日本における病院勤務医の過剰労働と医療サービス
    加藤竜太、柿中真
    季刊社会保障研究 46(2) 164-175 2010年 [査読有り]
    0
  • The Reform of the Public Health Insurance and Economic Growth of Japan
    Ihori, T, R R Kato, M Kawade, and S Bessho
    GSIR Working Paper Series, GSIR, International University of Japan EAP09-6 2009年
    0
  • Trade Liberalization of the Fishery Industry of Japan
    Mohiuddin, and Kato
    GSIR Working Paper Series, GSIR, International University of Japan EDP09-1 2009年
    0
  • Future Prespects of the Garment Industry of Cambodia
    Sambath, and Kato
    GSIR Working Paper Series, GSIR, International University of Japan EDP09-2 2009年
    0
  • Labor Supply of Japanese Married Women: Sensitivity Analysis and a New Estimate
    Takahashi, S, M Kawade, and R R Kato
    GSIR Working Paper Series, GSIR, International University of Japan EAP09-5 2009年
    0
  • Spousal Tax Deduction, Social Security System and the Labor Supply of Japanese Married Women
    Takahashi, S, M Kawade, and R R Kato
    GSIR Working Paper Series, GSIR, International University of Japan EAP09-7 2009年
    0
  • Intrinsic Motivation of Physicians
    GSIR Working Paper Series, GSIR, International University of Japan EAP08-1 2008年
    0
  • Behavioral Difference in the Self-Employed Physician and the Hospital-Employed Physician in Japan
    Kato, R R, and M Kakinaka
    GSIR Working Paper Series, GSIR, International University of Japan EAP08-3 2008年
    0
  • 日本における病院勤務医の行動と医療供給制度
    加藤、柿中
    CRR Working Paper Series, Faculty of Economics, Shiga University J-5 2008年
    0
  • Public Capital and Government Deficits in an Aging Japan: Simulation Analysis
    Kato, R R, M Kawade, and S Bessho
    CRR Working Paper Series, Faculty of Economics, Shiga University A-5 2005年
    0
  • 高齢化社会における社会資本-部門別社会資本を考慮した長期推計
    ESRI Discussion Paper series, 内閣府経済社会総合研究所 64 2003年
    0
  • Government Deficit, Public Investment, and Public Capital in the Transition to an Aging Japan
    Journal of the Japanese and International Economies 16(4) 462-491 2002年 [査読有り]
    0
  • 高齢化社会における財政赤字・公共投資・社会資本
    財政赤字と経済活動、経済分析 内閣府経済社会総合研究所(163) 7-70 2002年
    0
  • 我が国の高齢化移行と財政赤字
    財政赤字の経済分析、 経済分析 視点シリ-ズ 経済企画庁経済研究所(16) 2000年
    0
  • Human Capital Uncertainty and Optimal Public Health Policy
    Working Paper Series, Faculty of Economics, Shiga University 71 2000年
    0
  • Government Deficits in an Aging Japan
    Kato, Ryuta Ray
    Working Paper Series, Faculty of Economics, Shiga University 70 2000年
    0
  • Medical Doctors and Patients in a Two-Sided Search Model
    Working Paper Series, Faculty of Economics, Shiga University 61 1999年
    0
  • In Case of Uncertain Health Level, When Does the Individual Decide to See a Doctor?
    Working Paper Series, Faculty of Economics, Shiga University 65 1999年
    0
  • 国民医療費と医療経済学
    医療・介護・年金の各システムが経済活動に与える影響に関する調査研究 医療経済機構 1999年
    0
  • 医師・患者の行動と公的医療保険
    医療・介護・年金の各システムが経済活動に与える影響に関する調査研究 医療経済機構 1999年
    0
  • Transition to an Aging Japan : Public Pension, Savings and Capital Taxation
    Journal of the Japanese and International Economies 12 204-231 1998年 [査読有り]
    0
  • 「無限期間」動学的最適化問題について
    彦根論叢 滋賀大学経済学部 311 1998年
    0
  • 寿命の不確実性と最適医療保険制度
    経済と社会保障に関する研究 医療経済機構 1998年
    0
  • Social Security and Long-Run Growth
    Working Paper Series, Faculty of Economics, Shiga University 46 1997年
    0
  • わが国における私的寄附と税制
    季刊 社会保障研究 32 1996年
    0
  • The Economic Relationship and Unit Roots in Chile
    Annual Report, Shiga University  3 1996年
    0
  • Economic Effects of Taxation on Charitable Activities
    Hikone Ronso, Faculty of Economics, Shiga University 292 1995年
    0
  • 高齢化への移行における公的年金制度:貯蓄・資本蓄積・厚生への影響について
    経済学論纂 中央大学経済学部 35 1995年
    0
  • Public Pension and an Aging Population
    Review of Social Policy 2 1-10 1993年 [査読有り]
    0
  • 高齢化社会における貯蓄と税制
    帝塚山大学ディスカッション・ペーパー J-32 J-035 1993年
    0
  • 点数制度と医療供給
    高齢化と医療 社会福祉保険協会 1992年
    0
  • わが国の医療需要と医療負担
    彦根論叢 滋賀大学経済学部 278 278 1992年
    0
  • 高齢化社会に於ける税制比較〜開放体系モデルによるシミュレーション〜
    彦根論叢 279-280 1992年
    0
  • 人口高齢化と公的年金
    季刊 社会保障研究 27(3) 3 1991年 [査読有り]
    0
  • 人口の高齢化と貿易収支
    大阪大学経済学 大阪大学経済学部 41(1) 1 1991年
    0
  • 「市場年金」市場の均衡と公的年金
    加藤、倉澤
    エコノミア 横浜国立大学経済学部 98 98 1988年
    0

競争的資金

  • 高齢化社会をふまえた医療及び資産に対する税制の理論的・実証的分析
    文部科学省:科学研究費補助金(奨励研究(A))
    代表者:加藤 竜太
    1.データ収集・加工・入力に関しては、厚生省を中心とした各省庁からのデータを収集した。データの時系列的不備、並びに収集方法の一貫性の不完全から、予想以上に時間と労力を費やしたが、最終的には経済分析に耐えうる貴重なデータを作成することができた。医療を分析するための経済理論的フレームワークを今後検証する上では、重要な意味を持つと考えられる。2.数量分析(回帰分析等)については、これらのデータをもとに医療の需要・供給に関する幾つかの結果を得ることができた。医療需要に関しては、第一に、経済全体でみれば国民医療費の対民間最終消費支出比率は今後も増加傾向にあるものの、これを家計レヴェルからみれば、必ずしも家計の消費支出に対する保健医療負担は増加していない点が指摘される。第二に、経済全体での医療費の増大は、高齢化の進展と高額医療の発達・普及によるところが大きい点が指摘されたことである。第三に、各家計は医療価格の上昇に対して、医療サ-ヴィスの購入量を減少させるなど、医療価格の変化に対してかなりの程度まで弾力的である点である。これは各家計は経済合理的に行動している一つの現れとも考えられる。一方、医療供給に関しては、従来の経済理論分析を基礎にして、医療価格(ここでは診療行為別の点数)、医療供給に関する費用(ここでは医師・看護婦・薬剤師等の労働を需要するための費用としてそれぞれの賃金率を考えた)がどのように医療供給に影響を与えるかを考えた。そこでは、診療行為は点数の上昇とともに増加し、賃金の上昇とともに減少することが示された。この結果は医療供給、あるいは病院は医療の質よりもむしろ利潤を追求する動機が強いことを示していると考えることができる。
  • 高齢化社会をふまえた公的医療保険制度ならびに医療の経済学的分析
    文部科学省:科学研究費補助金(奨励研究(A))
    代表者:加藤 竜太
    平成10年度に構築された理論モデルを拡張して、我が国の高齢化社会を踏まえた公的医療供給の実証分析・シミュレーション分析に耐えうる基本的モデル分析を行った。方法としては、昨年夏に行った在外研究(英国エセックス大学)での研究成果をふまえ、その後の理論モデルの拡張と、実証研究への橋渡しである。この実証研究はフォートラン言語によるプログラム作成をも含んでいる。内容的には、配分の問題を最適医療供給という観点から分析した。その場合、以下の点について得に留意しながら、研究を行った。第(1)に、健康状態に起因する不確実性のために所得水準が不確定になる点に留意し、第(2)に、危険回避的な個人にとっては所得に依存する歪みのある所得税が一概にも定額拠出金に対して劣っているとはいえない事実を認識した。特に第(2)に関しては、日常的医療(日々の健康状態に影響する)、あるいは緊急的、重大的医療(救急医療、高額医療等、生命の危険に重要な医療供給)のどちらを相対的に公的に支持すべきかの制度内配分の問題の重要性を意識したからである。そこでの結論は、すでにある程度の公的医療供給を行っている我が国では、医療政策を公的に支持することが最適であることである。これらの研究は、今現在未発表ではあるものの、「In Case of Uncertain Health Level,When Does the Individual Decide to See a Doctor」,Shiga University Working Paper No.65,Shiga University(1999),Japan,ならびに、「Human Capital Uncertainty and Optimal Public Health Policy」,mimeo(2000)としてまとめられている。
  • 高齢化・情報の非対称性を念頭とした医療・医療保険制度の理論・シミュレーション分析
    文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    代表者:加藤 竜太
    わが国の人口高齢化を念頭に、公的年金制度に加えて公的医療保険制度を通した将来の負担を経済学的に分析した。具体的には今まで行われてきた一般均衡多世代重複モデル(シミュレーション)分析に公的医療保険制度をも組み入れ、将来負担がどのようになるかを、通常の経済的負担(租税負担率や社会保障負担率、さらに国民負担率)に加えて効用レベルによる比較、すなわち厚生分析を行うことによって異なった世代間の分配の問題を考察した。また世代間の負担を考察する場合、わが国の歴史的経緯を考慮したならば特に公債負担(財政赤字)と社会資本をも同時に考察の対象にしなければならない。そこで当該研究ではこれらの効果も組み入れ、国民医療費の将来予測に加えて包括的な将来負担を計測した。また公的医療保険制度を通した国民医療費の増加の要因を二つに分けたのも大きな特徴である。すなわち、人口の高齢化に伴う医療費増加に加えて、過去のデータから計算された医療技術進展の効果をも将来国民医療費の計測に組み入れた点である。これらの二つの効果を組み入れた結果、将来の国民医療費の増加を従来の単なる計測から厳密な経済モデルの中で考察することができるようになった。一般均衡分析であるので、この医療費増加の効果をも考慮に入れた合理的な分析になっている。医療費負担などの軽減させるために公債などの発行により財源を確保した場合、一時的には厚生は上昇するものの、長期的には逆に厚生水準は低下する。これは将来に先送りされる負担、さらに累増された公債のための利払いのために国民の負担が上昇するからである。したがって、公債残高は残せば残すほど、先送りすればするほど国民の厚生は低下する。また、将来の国民医療費は当該研究でも約2-3%の上昇が予想される。将来人口の低下によるGDPの低下はこの事実とあいまって将来的な国民医療の負担は大きく上昇すると考えられる。
  • 我が国の医療制度が抱える根本問題の経済理論的・実証的研究
    文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    代表者:加藤 竜太
    当該研究では、我が国の医療制度が本質的に持っている側面を経済学的に分析した。また、我が国の医療制度を前提として、人口高齢化が進展する中で将来の国民医療負担がどうなるかという点についても経済理論に基づいたシミュレーション分析を試みた。我が国の医療制度の中で、特に医療供給に関わる部分は出来高払い制度で運営されている。この出来高払い制による支払い方法は医療の過剰投与を誘発することが示された。一般的に過剰投与は薬価差益の存在が大きな理由とされているが、理論分析では薬価差益がなくても現行制度が出来高払い制である限り、過剰投与は避けることができない。また過剰投与が存在する場合、特に開業医は過小労働も引き起こす。すなわち、望ましい水準まで働かず、それによって失った収入を過剰投与によって賄っていることが理論的に示された。また、病院医のような勤務医に関しては過剰労働をも理論的に示すことができた。また、過剰労働がなされている場合、かならず医療サービスは最適水準以下になることも示された。したがって、もし2004年に導入された新研修医制度が特に地方病院の勤務医に過剰な労働を強いている大きな原因とすれば、その影響は単に勤務医の過剰労働だけでなく、医療全体のサービス水準の低下に結びついている可能性がある。一方、国民医療費を見た場合、対GDP比で考えるとその比は今後10年の間に1%増加し続け、2050年には約9.6%に達する。また、自己負担率を15%からそれぞれ20%、30%に上昇させた場合のシミュレーション分析を行った結果、微少ながらも国民負担率は低下した。また、自己負担率の上昇は老齢期における医療支出(自己負担分)を上昇させることから若年期に於ける予備貯蓄が上昇し、その結果、経済成長にはプラスに作用する。自己負担率を20%に上昇させた場合には最終的には国民負担率は1%低くなる。また、自己負担率を30%に引き上げた場合は3%国民負担率は低下する。
  • 我が国高齢会社会に於ける外国人労働受け入れと女性労働拡大の経済
    文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    代表者:加藤 竜太
    我が国は近い将来急速な高齢化社会に突入すると同時に、総人口も減少することが予想されている。総人口の減少は労働人口減少をさらに加速させるであろう。労働人口の減少はマクロレベルでみれば将来の経済成長に大きくマイナスに働くであろう。労働人口減少に伴う経済成長の鈍化は税収の減少などを引き起こすとともに、高齢化社会の到来と相まってさらに年金財政や医療財政を圧迫するであろう。このような問題意識の中、本稿は女性労働供給の経済成長に与える影響を計算可能な多世代重複一般均衡モデルで分析した。女性労働供給に影響を与える要因は様々であろう。育児や介護の影響も極めて大きいであろう。当然のことながら育児や介護に関わる政策を重んじるなら、これらの政策の財政的側面も政府予算という枠組みの中で明示的に考慮しなくてはならない。女性労働供給を刺激する政策はその政策に関わる財政支出を増加刺せるであろう。一方、女性労働供給増に伴って将来の経済成長が好転するならば、その結果として財政収入も増加するであろう。したがって、総合的には財政収支は好転するかもしれない。また、各家計の視点で考えれば、このような政策はそれぞれの家計の効用水準にも影響を与えるであろう。仮に政府の財政収支が好転したとしても家計の効用水準が低下するのであればこのような政策は支持されない。このような総合的な政策に関わる評価判断は数値解析的に行われなければならないであろう。さらに、長期的な影響を分析する場合、定常状態のみの比較ではなく、移行過程における異なった世代への影響が極めて重要である。従って、本稿では計算可能な多世代重複一般均衡モデルの枠組みを使って、女性労働供給とそれに関わる政策の影響を長期的な経済成長への影響という視点で分析する。一般均衡モデルはすべての経済依存関係を明示的に取り入れているので、先に述べた政府予算を満たすような様々な政策の総合的な影響を見ることが出来る。また、数値解析的に分析を行うので、移行期過程を含めて異なった世代の効用水準を等価変分などを用いることによって数値的に示すことが出来る。さらに、将来の人口ピラミッド構成を現実的に与えた点も大きな特徴である。女性労働供給が将来の経済成長へどのような影響を見るかをみるためには、将来の男女別人口が重要な鍵を握る。本稿ではシミュレーション分析をより現実的な状況に近づけるために最新の『日本の将来推計人口』(国立社会保障・人口問題研究所)を利用した。女性労働供給は長期的な経済成長にとって重要であることがシミュレーション分析で明らかにされた。とくに、もし現行の状態が続いた場合、2050年には2030年の13%程度の総生産減が見込まれる。一方、2010年以降、家事育児負担が10%減少するシナリオでは長期的には標準ケースに比べて総生産を3%増加させる。実際、総労働力供給は家事育児負担の影響の緩和で、2010年以降、約2.5%近く上昇しており、総資本も3%程度増加している。なお、女性労働供給は非常に高くなっていることが分かる。すなわち、女性の労働参加の推進はマクロ経済に正の影響を与えることが分かる。
  • 我が国高齢者社会における医療政策の産業関連を取り入れた数値解析的動学一般均衡分析
    文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    代表者:加藤 竜太
    医薬、病院、介護、社会福祉を産業としてとらえたとき、税・補助金政策変は、もしその財源を考慮しないのであれば、病院部門のさらなる補助金配分が経済全体では優位性を持つが、その財源を考慮するのであれば、逆に病院部門への補助金カットが一番望ましい政策となる。これらの産業間のみで制度改革を行う場合、病院部門への補助金をカットし、それによって生じた新たな財源を社会福祉サービス部門へ再分配する政策が経済効率上は一番望ましい結果となる。
  • 数値解析的一般均衡分析における最適課税論・限界的税制改革論の我が国への応用分析
    文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    代表者:加藤 竜太
    現実的な想定の下で我が国に於ける最適税制の模索と現況を前提とした現実的な望ましい税制改革論を、精緻な経済モデル(CGEモデル)の枠組みの中で提示することが当該研究の大きな目的である。この場合、特に注意が必要な改良点は、労働供給の取り扱いと、他の財との代替の弾力性値の与え方である。平成24年度では今まで構築してきたFORTRANプログラムにおいて労働を内生化し、次にMATLABによる新たなプログラムの作成と、最適課税論・限界的税制改革論の議論が展開できるように既存のFORTRANプログラムを大幅に改良した。一方、2月のUC(Irvine)でのコンファランスではその成果の一部を予定通り発表することが出来た。特に重要な成果は労働供給の内生化を考える場合、労働市場をどのように扱うかである。今までのCGEモデルでは労働市場に於ける完全雇用を前提としてきたが、当該研究では労働市場が必ずしも完備でない、すなわち労働市場に於ける失業の存在を前提として議論を展開した意義は大きい。CGEモデルでは実際の社会状況を前問いとしたシミュレーション分析を行うわけであるから、モデル内で想定される仮想的な経済はなるべく現実に近くなければならない。そこで当該研究では労働市場に摩擦(フリクション)を導入し、所謂マッチング・モデルで労働市場を記述し、「Fiscal Stimulus and Labor Market Dynamics in Japan」IUJ Working Paper Series EMS-2012-19,2012ならびに、「Fiscal Stimulus in an Endogenous Job Separation Model」IUJ Working Paper Series EMS-2013-02, 2013として成果を公表した。
  • 数値解析的一般均衡分析での少子高齢化社会に於ける女性労働・失業と税・社会保障研究
    文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    代表者:加藤 竜太
  • 高齢化社会の経済分析
  • 医療の経済分析
  • 財政赤字の経済分析


Copyright © MEDIA FUSION Co.,Ltd. All rights reserved.